TPUフィラメントの特徴【3Dプリント】
―「柔らかいけれど、タフ」な3Dプリント材料―
TPUフィラメントとは?
3Dプリンター用フィラメントというと、まず思い浮かぶのはPLAやABSかもしれません。
一方で、近年じわじわと存在感を増しているのが「TPU(熱可塑性ポリウレタン)」です。
ゴムのように柔らかく、それでいて樹脂らしい成形性を持つTPUは、
“曲がる・伸びる・衝撃を吸収する” といった特性を活かした部品づくりに向いています。
TPUは、熱可塑性エラストマーに分類される材料です。
常温ではゴムのような弾性を持ちますが、加熱すると溶けて成形でき、
冷えると再び弾性を持った状態に戻ります。
3Dプリント用TPUフィラメントでは、
- ショア硬度:おおよそ 85A〜98A 程度(柔らかいゴム〜硬めのゴム)
- 比較的高い引張強度・伸び
- 優れた耐摩耗性・耐屈曲性
といった特徴があり、「繰り返し曲げる」「衝撃を受ける」といった用途に適しています。
PLAやABSとは質感がまったく異なり、
指で押すとへこみ、離すとすぐに元に戻る“ゴムらしさ”を体感できます。
TPUフィラメントの主な特徴
1. 高い柔軟性と弾性
TPU最大の特徴は、柔らかさと弾力です。
- 押しても割れず、へこんで元に戻る
- 曲げても白化しにくく、折れにくい
- スナップフィットや爪形状でも欠けにくい
PLAで作ると割れてしまうような形状でも、TPUなら「しなって耐える」部品にできます。
2. 耐摩耗性・すべり止め性能
TPUは摩耗に強く、摩擦係数も比較的高いため、グリップやすべり止め用途に向いています。
- 工具やハンドルのグリップカバー
- ジグ・治具の接触部(ワーク保護・滑り防止)
- ローラーやパッドのような部品
など、接触やこすれが多い部分に使うと、PLAより長寿命になりやすいです。
3. 衝撃吸収・緩衝材として優秀
TPUは衝撃を受けたときに“いなす”特性を持っており、
バンパー・クッション・ダンパーのような用途に好適です。
- 機器の落下防止バンパー
- 配管・配線の保護カバー
- 搬送ラインの緩衝部品
など、工場設備まわりでも活躍の場が多い素材です。
まとめ:TPUは「PLAではできないこと」を実現する材料
TPUフィラメントは、
- 柔らかくて割れにくい
- 衝撃・摩耗に強い
- グリップやクッションが必要な部品に最適
という特徴を持ち、
PLAやABSだけでは対応しきれない領域をカバーできる3Dプリント材料です。
工業用治具から日用品のカバー、プロトタイプのゴム部品まで、
「ちょっと柔らかいものを作りたい」「衝撃を吸収させたい」というニーズがあれば、
一度TPUでの造形を検討する価値があります。
TPUフィラメントでの造形を検討されている方はお気軽にご相談ください。

