3Dプリント品の代用によるコストダウン
製造現場では、治具、カバー、スペーサー、ガイド、トレー、ホルダーなど、さまざまな樹脂部品が使われています。
従来、これらの部品はMCナイロン、POM、PEEK、PTFE、ABSなどを切削加工して製作するケースが多くありました。樹脂切削は、寸法精度や強度に優れた加工方法です。
一方で、少量品や複雑形状の部品では、材料費・加工費・段取り費が高くなりやすいという課題があります。そこで、コストダウンの選択肢として有効なのが、3Dプリントによる代用です。
3Dプリントが向いている部品
3Dプリントは、樹脂材料を積層して形状を作る加工方法です。ブロック材から削り出す切削加工と違い、必要な部分だけを造形できるため、材料ロスを抑えやすい特徴があります。
特に、以下のような部品では3Dプリントによるコストダウンが期待できます。
- 少量だけ必要な部品
- 試作品
- 治具・補助具
- ワークを置くトレー
- 軽負荷のカバー
- スペーサー
- 保護キャップ
- 現場改善用の専用部品
例えば、MCナイロンの切削品として製作していた部品でも、実際には高い摺動性や強度が不要な場合があります。そのような用途では、3Dプリント品に置き換えることで、十分な機能を保ちながらコストを抑えられる可能性があります。
コストダウンにつながる理由
3Dプリントは、特に1個、2個、5個といった少量製作でメリットが出やすい加工方法です。
切削加工では、材料手配、加工プログラム作成、段取り、工具選定などが必要になります。一方、3Dプリントは3Dデータをもとに直接造形できるため、少量品や試作品では初期費用を抑えやすくなります。
また、切削では工具が入りにくい形状や、加工時間が長くなる複雑形状でも、3Dプリントであれば比較的作りやすい場合があります。
さらに、内部の充填率を調整することで軽量化もしやすく、治具やトレーの作業性向上にもつながります。
改良しやすいことも大きなメリット
現場で使う治具や補助部品は、実際に使ってから「少し高さを変えたい」「角を丸くしたい」「持ち手を追加したい」といった改善要望が出ることがあります。
3Dプリントであれば、データを修正して再製作しやすく、短いサイクルで改良できます。
また、必要な時に必要な数量だけ製作しやすいため、まとめて発注した在庫が仕様変更で使えなくなるリスクも抑えられます。
注意点
3Dプリント品は便利ですが、切削品とまったく同じ性能ではありません。
特にFDM方式では、積層方向によって強度が変わることがあります。また、表面には積層痕が残るため、切削品のような滑らかな仕上がりにはなりにくい場合があります。
そのため、置き換えを検討する際は、以下の点を確認することが重要です。
- 使用温度
- 荷重の大きさ
- 摩耗・摺動の有無
- 薬品や油の付着
- 寸法精度
- 外観品質
- 交換頻度
強い荷重がかかる部品や、摩耗・摺動が重要な部品では、従来通りMCナイロンなどの切削品が適している場合があります。
一方で、ワークを置く、位置を合わせる、軽く支える、保護するといった用途であれば、3Dプリント品で十分なケースもあります。
まとめ
3Dプリント品は、樹脂切削品をすべて置き換えるものではありません。
しかし、用途を見極めれば、MCナイロンなどの樹脂切削品から3Dプリント品へ代用することで、コストダウン、短納期化、軽量化、改良のしやすさといったメリットが期待できます。
特に、少量品、治具、トレー、カバー、スペーサー、現場改善部品などでは、有効な選択肢になります。
当社では、樹脂切削品の用途や使用条件を確認したうえで、3Dプリントで代用できる可能性を検討し、コストダウンにつながるご提案を行っております。
「今使っている樹脂部品をもう少し安くしたい」
「少量だけ作りたいが、切削では高くなってしまう」
「まずは試作品を作って使い勝手を確認したい」
このようなお困りごとがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。


